アンチエイジングな食べ方の基本は、良く噛んで食べること。一口最低20回、出来れば30回の咀嚼を試みてください。と、いうわけで前菜には噛みごたえのある真ツブ貝を。しっかりと良く噛んで味わってみて下さい。噛みごたえのある食材を最初に出すことで、咀嚼によるアンチエイジング効果を最大限に引き出します。
貝類に豊富に含まれるアミノ酸の一種であるタウリンには、血圧を正常に保つ働きの他、心臓強化、貧血予防、血中コレステロールを減少させ血液をサラサラにする、肝臓機能の保護など多くの効用が知られています。
水茄子はそのフィトケミカル(野菜や果物がもっている化学成分)に注目。野菜や果物には、活性酸素を除去する抗酸化成分が多く含まれています。野菜や果物の皮にある色の成分がポイント。旬の水茄子には、アントシアニンという抗酸化成分がたっぷり含まれています。
*咀嚼のアンチエイジング効果
的鯛の皮の部分には、アスタキサンチンという注目の抗酸化成分が凝縮されています。また、皮と身の境にはDHA、EPAといったアンチエイジングな脂質で知られるω3系の不飽和脂肪酸も豊富です。
カリフラワーは淡色野菜の中では最もビタミンCを多く含む野菜として知られています。また、カリフラワーのビタミンCは加熱での損失が少ないので効率良くビタミンCを摂ることが出来ます。また、カリフラワーには抗がん作用を持つ栄養素(イソチアシオネート、植物ステロール、インドール、MMTS:メチルメサネサイホスルホネート)も多く含まれます。
*アスタキサンチン
内臓脂肪型肥満をベースとしたメタボリックシンドロームが話題となっています。アンチエイジング的にはこのメタボリックシンドロームを制覇することが重要。すなわち、内臓脂肪は出来るだけ溜めないことが基本となります。ダイエットにおいて注目の栄養素であるL-カルニチンを多く含む食材として仔羊をチョイス。このL-カルニチンは脂質代謝系において脂肪燃焼を助ける作用を持っていることが知られています。
また仔羊は、良質な必須アミノ酸、ビタミンA、ビタミンB群、鉄、亜鉛を豊富に含みパーフェクトミートともいわれています。
鶏肉にはカルノシンという持久力・瞬発力に関係する成分が豊富に含まれています。この栄養成分には抗酸化、老化防止作用があります(鳥が長い間、空を飛び続けることができるのはこのカルノシンのお蔭だともいわれています)。低脂肪、高たんぱくでもあり、暑さによる疲労回復とダイエットには持ってこいの食材です。
たっぷりのビタミンCを苺から摂りましょう。
また、エキストラヴァージンのオリーブオイルはダイエットにも味方となります。「油を食べると太る」という認識が一般的ですが、油を全くとらないと常に空腹感を感じ、逆に間食が増えたり甘いものを欲する結果になります。オリーブオイルなどの植物油は腹持ちがよいとされるので、少量でも十分な満腹感が得られます。上手に植物油を体に取り込み、必要以上にカロリーを摂取しないようにするのが、オイルを取り入れた上手なダイエット方法といえます。
シャルトリューズはフランスの薬草ハーブ系リキュールです。元々は不老不死の霊薬(まさにアンチエイジング!)として17世紀に作られたのが始まりです。
(文責:青木 晃)

順天堂大学大学院加齢制御医学講座
准教授 青木 晃
日本でももうすっかり浸透した感のあるアンチエイジング。「アンチ=抗う」、「エイジング=加齢」という意味ですから、直訳すれば「抗加齢、抗老化」。女性が外見の若返りのために行う美容(エステ、化粧品、美容外科など)のことのようなイメージが先行していますが、医学(医療)としてのアンチエイジングの本質は「健康長寿」にあります。
これまで、生物としての人間にとって「老化」して「死」を迎えることは生理学的に不可避であると考えられていたのが、医学によって「老化」のスピードを遅らせることが出来る時代が来たのです。アンチエイジング(抗加齢)医学の対象は「病気」ではなく、「健康」状態のレベルアップにあります。
体の機能の老化現象は40歳過ぎ頃から個人差が出てきます。同じ45歳であっても50歳台後半くらいに老けて見える人、あるいは反対に35歳くらいにしか見えない人がいるように、見かけだけではなく体の機能にも差が出るわけです。シミ、しわが増える、老眼になってくる、骨がもろくなる、記憶力が落ちてくる。また、血糖値やコレステロールが高くなって血液がドロドロになったり、免疫力が落ちることで、がんなどの病気にかかりやすくなるのは病的老化のスピードが進行しているということ。生理的老化は病気・疾患ではありませんが、オプティマル・ヘルス(最高の健康状態)を目指して、この老化のスピードを医学的に遅らせることがアンチエイジング医学の目指すところなのです。
エイジング(老化)を加速させる原因としては、活性酸素(フリーラジカル)による酸化ストレスの増大(体が錆びていくこと)、性ホルモンや成長ホルモンといったホルモン分泌の低下(体が枯れていくこと)、内臓脂肪蓄積によってメタボリックシンドロームが進行する(血管がボロボロになっていくこと)、免疫力の低下によって感染症にかかったり、がんになりやすくなるなどがあります。しかしこれらのことは日常の生活、特に「食」に気をつけることによってコントロールすることが可能なのです(抗加齢医療における3本の柱は「食」、「運動」、「メンタル」とされています)。
正しい食事、適度に身体を使って生活すること(運動)、質の良い睡眠、ストレスマネージメントなどを意識的にあるいは無意識のうちに日々の生活の中で実践できるようなシステムを構築していくこともアンチエイジング医学のミッションであると考えています。もはや医学という領域を超えた新しいカテゴリーの文化的産業ともいえるかもしれません。もちろん、人の体へのアプローチである以上、医学的なベースは不可欠ではあります。高いレベルでのアンチエイジング的サービス(抗加齢医学を理解した上での)が求められるようになることでしょう。そのひとつがアンチエイジング・メニューのプロデュースなのです。
今回、私が提案した今回のアンチエイジング・メニューは、“錆びを取る抗酸化メニュー”と“食べて痩せるダイエットメニュー”で構成しています。菊池シェフの腕による美味しいフレンチを楽しみながら、アンチエイジングが実践出来る…素晴らしいことだと思いませんか? ぜひ、gentil Hのアンチエイジング・フレンチを堪能してみて下さい。